自分の中にある強みの要素を組み替えて、前に進む力が湧いてくる。ストレングスファインダー 個別セッション

先日、強みコンサルタント・しずかみちこさんによる個別セッションを受けた。
しずかみちこさん(旧・琴市しづかさん)とは、私が愛読しているブログ「自分の心を殺してはいけない」の運営者である。

私は、しずかさんの鋭い分析力と洞察力、自身の豊富な経験に裏打ちされた視点、実直で落ち着いた文章の語り口が好きだ。しずかさんのブログを見つけた時、ちょうど私は前職を辞める前でこれからの自分の生き方について模索していた。同年代ということもあってか共感する部分も多く、いつか必ずご本人にお会いしたいと思っていた。

しずかさんは「ストレングスファインダー」 について造詣が深い。
ストレングスファインダー とは、アメリカの世論調査会社であるGallup社が「人は自分の弱みを改善するよりも、自分の強み(ストレングス)に意識を向けそれを活かすことで最大の能力を発揮する」という考え方に基づいて開発した自己分析ツールだ。Webサイト上で177個の質問に答えていくことで、個々の特徴が34種類の資質で読み解かれ、自分の強みを知ることができる(詳しくはこちら)。しずかさんのブログでもこれに関する記事が多数あり、ご自身はGallup社認定ストレングスコーチの資格も取得されている。

私も、彼女のブログ記事がきっかけかどうだったかは忘れたのだが、数年前にこのストレングスファインダー の本を購入し、テストを受けた。

個別セッションを受けるに至った経緯

「自分オリジナルの人生を歩んでいきたい」。私のこの強いこだわりは、子どもの頃からあった。
同時に「思うようにいかない・本当に自分がしたいことが出来ていない」という不全感もずっとつきまとっていた。小学生の頃から占いの類や心理テストっぽいもの等、人目を忍んでこっそりと「自己分析」するのが趣味だったが、この強いこだわり=現状を打破したい、という欲求の表れだったのかもしれない。

そして40代にさしかかり、結婚・出産育児・仕事をめぐって悩んだり行き詰まりを感じることが多くなってきた。
普段はあまり自覚することはないが、ごくまれに何かのきっかけで、子ども時代から抱えていたこの不全感に直面することがある。その時は自分の無力さに激しく落ち込んだり、このまま人生終わってしまうのではないかという果てしなく絶望的な気持ちに苛まれるのだ。

私の悩み・行き詰まりとは、
●本来の自分らしさを発揮するためやりたいことは見つかっているが、なかなか行動に移せない。
●この理由として考えられるのは、実現に伴う労力やリスクを考えて尻込みしてしまう。
●また、実現するために自己主張することで場を乱したり相手との仲がこじれるのではないかという恐れがあり、怖くて勇気が出ない。
●やりたいことややるべきことが多すぎて、何から手をつければいいか考えているうちに、いたずらに時間が過ぎてさらに落ち込む。
…というものだ。

そんな時、この「ストレングスファインダー」とならび「 ホロスコープ(占星術)」「ビリーフリセット(心理学) 」という三つのツールに出会った。これらのツールは3つともアプローチは異なるが、それぞれの分析結果から共通して見えてきたことがある。それは「人間の内面には複数の異なる人格(=要素)が存在し、これらがその人の思考パターンや行動パターンに大きく影響している」ということ。そして私の場合でいうと「この複数の異なる人格がおのおの自己主張して全体としてまとまらないことが、”不全感=自分が本当にやりたいことができていない” の根っこにあるのではないか」ということだ。

自己分析について、以前の記事についてはこちら。
ホロスコープ
ビリーフリセット

これらの分析結果をみては、なるほどそういうことか!悩みの原因はそれか!などと驚いたり膝を打って納得した。しかしいずれも、具体的な自分のこの悩みの解決に結びつく「あともうひと押し」に欠けているのだ。そしてこんな分析ツールに頼り続けている自分は他者依存的で現実逃避的で、なんて不甲斐ないんだと思っていた。

ストレングスファインダーの場合はどうだったか。
テストを受けて判明した上位5位の資質は、上から順に「最上志向」「共感性」「未来志向」「適応性」「学習欲」。この結果について書籍や公式サイトの解説としずかさんの関連記事も参考にしながら、自分なりに解釈をこころみた。わかったのは、34の資質はおおまかに4つの領域「影響力」「実行力」「人間関係構築力」「戦略的思考力」に分けられるということだ。

これに沿ってみてみると、私の上位5位の資質は上から順に、
1・最上志向→影響力
2・共感性→人間関係構築力
3・未来志向→戦略的思考力
4・適応性→人間関係構築力
5・学習欲→戦略的思考力
となっている。

4つの領域のうち3つ(影響力・人間関係構築力・戦略的思考力)は含まれているが、残り1つ「実行力」が含まれていない。そうか、「実行力」が上位5位の中にないから、私は行動に移すのが苦手なんだ。
・・・で? この結果から、実際にどうやって解決していけばいいの?
思考が完全にストップしてしまった。テストを受けたはいいが、現状は何も変わらず結果を持て余してしまった。

こうなったら分析洞察能力に長けた、強みコンサルタントしずかさんに直接セッションを受けるしかない!このセッションで、自分の強みを実際に使いこなすための手がかりが見つかるかもしれない。それにしずかさんは、ずっと前から会いたかった憧れのブロガー。もしもセッションが芳しくない成果に終わったとしても、直接ご本人にお会いできるだけでも良しとしよう。

今まではずっと東京方面でワークショップやセッションをしておられたしずかさんが、このたび大阪でセッションを募集されている。大阪なら岡山から余裕で日帰りできる距離だ。そして大阪の空き枠は残りひとつ。またとないチャンスではないか。よしきた!と即決し申し込んだ。

そして、セッション当日を迎えた

ネット上でしか知り合ってない人と初めてリアルで会う瞬間は、緊張するものだ。
ブログの中のしずかさんしか知らなかった私は、彼女の文章と数枚の写真から「かっちりとした、中性的な」イメージが出来上がっていた。しかし実際にご本人にお会いした印象は、意外にも「色白で線が柔らかくて小粒な」雰囲気だった。

セッションでは、ストレングスファインダー のテスト結果に基づき(より詳しく正確に診断を受けられるよう全34資質の順序も事前に調べておいた)、上位5位の資質それぞれの説明が書かれた用紙を見て、思い当たるエピソードや現在自分が抱えている悩みを話しながら進んでいった。

考えすぎてなかなか行動にうつせなかった理由

しずかさんの問いに答えていくうちに、「考え過ぎて行動するまでに時間とエネルギーを費やす」という自分の悩みの要因が次々と明らかになっていく。
それは、
①「最上志向」は、自分自身にベクトルが向くと自分を追い込んで抑えつけてしまう。
②「共感性」は、相手の気持ちを汲み取るのが得意だが、過剰に作用すると自己主張ができない。
③ その時その時の目前のことに対応する「適応性」と、遠い未来について理想のビジョンを描く「未来志向」がお互い干渉し合い、どちらを優先すればいいか迷ってしまう。
④「学習欲」は、学ぶことによる成果よりも学ぶプロセスそのものを重視するため、学ぶだけで満足してしまう傾向がある。
…というもの。これまでの自分を振り返ると、まさにすべてそのまま当てはまる。腑に落ちる!

上位の資質にたたずんでいた、唯一の実行力「信念」

上記の悩みと併せて、しずかさんの問いに答えながらさまざまなエピソードを語っていくうちに、やおら彼女は私に「信念」の書かれた用紙を差し出した。全34資質の結果を出した時は気にも留めていなかったが、これは上位5位すぐ下の、6位の資質だった。しかも上位5位にはない「実行力」の領域。しずかさん曰く、この資質こそ私にとってキーとなるらしい。
(セッション後に自分で調べて分かったのだが、34位のうち「実行力」領域の資質のほぼ全ては下位半分に分布していた。強みとして発揮しやすいのが上位10位といわれており、私の上位10位中にある「実行力」は唯一この「信念」だけだ。)
言われてみれば、確かに私は「ありのままの自分を大切にする」「自分の持つ長所も短所もひっくるめて慈しむ」「自分自身の持ち味を生かす」といったこだわりを強くもっている。これが私の信念か。

信念とは言い換えると「生き方」ともいえる。
私は昔から似顔絵を描くのが得意で、人と接する時は無意識にその人の特徴を探してしまう性分だ。また最近、白髪のある地毛を生かす「グレイヘア」に注目しており「グレイヘアリスト」を目指している。提唱している方の「自分の自然をあらわすことを恐れないで」というメッセージが心に響き、無性に応援したい衝動に突き動かされ、その方の似顔絵を描いて即SNSに投稿した。彼女の発するメッセージがまさに私自身の生き方=信念と共鳴し、実際の「行動」に結びついた例である。

下位の資質からわかった、自分の苦手分野

そしてもうひとつ、34資質のうちの下位資質は、とくに下位にいくほど自分の苦手とする分野であり、そもそも発揮しようにもできない資質らしい。なのでこれらの資質を高めようとするとかえって自分本来の強みを発揮できなくなるため、最初から諦めるのが賢明だといわれている。
私の場合は下位7つの資質(28位から順番に、規律性・競争性・回復志向・社交性・調和性・公平性・包含)にはほぼすべて共通した特徴があり、それは「人を一律に扱う」というものであった。

思い当たることとしては、
●子どもの頃から一律的な集団行動や、体育の授業の集団競技や競争が大の苦手だった。思春期には校則が画一的だと親や教師に疑問を呈していた。
●就職活動も、同じようなスーツを着て集団セミナーや面接など、周りのペースに全くついていけず挫折した。
●両親ともにサラリーマンだったが、いくら収入が安定していても自分はそのような道に決して進まず、それどころか30歳過ぎるまで自分の興味の赴くまま様々な職を転々とした。
●集団でする合コンやお見合い、社交パーティーの類いも大勢のいる中で上手く振る舞えず、苦手で仕方がなかった。

しずかさん曰く、世の中には「皆と同じが落ち着くタイプの人」と「一人一人の個性を活かしたいタイプの人」がいるが、ストレングスファインダー的に私はどう見ても後者だそうだ。
また上述の「グレイヘア」に関して、私が白髪染めを苦手とする理由のひとつに「髪の毛全体を”一律の色”にベッタリと塗りつぶす仕上がり感が嫌なこと」がある。自然な地毛というのはパッと見ひとつの色にまとまって見えるが、よく見ると一本一本微妙に色合いにばらつきがあるのだ。まったく自分とは、ミクロレベルに至るまでも「一律であること」が苦手なのだ!私ははるか昔から「個々のオリジナリティを重視」し「一律的なもの・皆と同じであることを苦手」とする生き方を徹底していた。

強みの資質を編成しなおすことで、自分のあり方を整え、前に進む力がわいてくる

「信念」をトップに置き、その直下に「未来志向」を据えて、他の各資質(学習欲・最上志向・共感性・適応性)を総動員してはどうか。しずかさんはこう提案してくれた。

上位5位からあぶれていた6位の「信念」を前面に持ってくることで、自分の中から行動力が自然に湧いてくる。
自分オリジナルの人生の原動力は「信念」だったのか!目から鱗が落ちた瞬間だった。
まるで、上位5位にぎりぎりエントリーし損ねた「信念」が、ようやく自分の存在を私に見つけてもらい、喜びにうち震えているかのようだった。これからは自分の強みである「信念」を原動力にして、その他の強みの資質にそれぞれ役割を与え、自分の人生を歩んでいこう!そう心に決めた。
すなわち、
信念「自分の中にある自然を大切にし、それを表に出して生きていく」というポリシーに基づいて、
未来志向 「人がありのまま、本来の持ち味を生かして暮らしていける世界を実現させたい、という未来のビジョン」をブログなどを通じて語ることで人を勇気付け、
学習欲 ビジョンを実現させるのに必要なことを「幅広く学び(つまみ食いでも、自分自身の幅が豊かになるのでOK)」、
共感性 「相手の望みや気持ちを汲み取り」、人柄もふくめた背景や特徴をイラストに反映させ、
適応性 「難題にも柔軟に対応できる」(←この資質は自分でも全く気付かず驚いた)ので、難しく感じる依頼に取り組むことで自身をステップアップさせ、
最上志向 「得たものの中からより良いものを選びとる。人の良い面をみつける」ことで取捨選択する。
という風に。

これら各資質をキャラクター化して、私の得意とするイラストで表現した。

(トップ画像と同じもの)

ここで重要なのが、自分の本来やりたいことを実現するために「自分で自分の価値を定めてそれを相手に提示していく」という事だということも、あらためて突き付けられた。これからの大きな課題だ。

しずかさんからは、仕事を選ぶ時も業種や職種うんぬんよりも「一律であることを求められないかどうか」が重要で、迷った時の指針になる、とアドバイスを頂いた。

私はこれまで「一律であることを求められること」に窮屈さや違和感を感じ、それに我慢して耐えるか、反発するか、避けるかして生きてきた。そんな風に感じてしまう自分はわがままで自己中なのかと思い、これに適応するため「統一された美しさもある」とか「一律なものに安住するほうが無難」という外部の声を自分に言い聞かせて無理をしていた。しかし、そもそも資質になかったんだから仕方がない。芯の部分ははるか幼い頃からそのまま頑固に変わっていないことがハッキリとわかって、なんだか無性にホッとした。もうこれ以上、自分の強みを発揮できない「一律的・画一的な」「無難で万人受けする」モノやコトに従うのは潔くやめよう。苦手な分野があることを引け目に思う必要は全くないのだ。すでに自分の中に備わっている得意な資質を生かして前に進もう。そう思った。

※ストレングスファインダー のイラストを眺めていたら、雰囲気の似通った別のイラストを思い出した。これがそのイラストで、18年ほど前・20代終わり頃の頃の自画像だ。当時は東京で語学関連の仕事をしながらアルバイトで裁縫したりイラスト描いたり、石けん作って売ったりしていた。まさに、当時の私はその時その時の信念(?)に突き動かされて片っ端から興味のあることをしていた。

 

まとめ

 

「個性」や「人格」を解明するための自己分析ツールは、世に数多くある。その中でもストレングスファインダー とは、それを形成する複数の要素=資質を人格っぽいものとみなしているような気がする。「自分の中に、たくさんの様々な強みをもつキャラクターがいる」イメージだ。一定のキャラクターの組み合わせでも、そのキャラクター同士の位置関係や関わり合いによって、表に出てくる思考や行動がガラリと変わってくる。

このツールを用いて、自分にありがちな思考パターンや行動パターン・物事のそもそもの捉え方・物事への向き合い方のスタンスの「仕組み」を読み取るには、自分ひとりでテスト結果の解説を読むだけでは決して気づかない部分がある。なぜなら、導き出すそのものの姿勢がすでに自分の資質に影響されているからだ。
したがって、この仕組みをより正確に読み取るには、その道に長けた中立的な第三者・コーチ的な立場の人からの助言が必要となってくる。私は今回しずかさんのセッションを受けることで、各資質の関わり合いや位置関係から、目下自分の抱えている悩みの仕組みを読み解くことができた。そしてこれらの資質を見直し、整理し、編成し直すことで、本来の強みを生かした自分オリジナルの人生の歩み方の指針ができた。

以下ような人には、しずかさんのストレングスファインダー の個別セッションを是非おすすめする。
●ストレングスファインダーを受けたが、その後の生かし方がわからない人
●生き方や自分の性格や行動パターンに悩みがあって、解決策を見出したい人、現状を打破したい人
●やりたいことは分かっているのに、そこにむかって一歩が踏み出せない人
●「やり方」だけでなく、その基盤となる「あり方」を整えたい人

自分には、既にこんなすばらしい強みが備わっているじゃないか。
苦手分野は、無理せずそれが得意な他の人にお任せすればOK。

しずかさん、非常に有益で貴重なセッションでした。
本当にありがとうございました!

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