資質のポジショニングで分かった共感性の意外な役割。アンテナでありムードメーカーであり、コア資質の頼もしい相棒でもあった。

久々に感情が大きく揺れ動いた。
以前から抱えていた課題が、前に進まず宙ぶらりんの状態でモヤモヤしていたのだが、先日思い切って自分の考えを表に出す機会があった。その時周囲に十分理解されず(真実かどうかはさておき、理解されない、と心が認識した)独り号泣したのだ。感情を抑えず放置していると、涙が次々溢れてしばらく嗚咽が止まらなかった。
ストレングスファインダー好きな私は「これは、’信念’に共鳴した’共感性’が泣いているんだ」と直感した。

そしてちょうど目にしたのが、「資質のポジショニング」の作り方を解説したこちらのブログ記事だ。執筆者はギャラップ公認ストレングスコーチ・しずかみちこさん。一昨年、私は彼女のストレングスファインダー 個別セッションを受けている。
(当時の個人セッションについては当ブログのこちらの記事を参照ください)

この記事と当時セッションでしずかさんに作ってもらったポジショニングの図を参考に、あらためて自ら資質のポジショニングをしてみようと思い立ったのだ。感情が高まったり、資質のポジショニングが気になること自体、心境の変化の兆しなのかもしれない。

しずかさんによると、上位資質は「アンテナ」「モチベーション」「アウトプット」の3種類の役割があるそうだ。上位資質のポジショニングで黄金パターンをつかめば自分の強みを最大限に生かせるという。どんなフォーメーションになるのかは人それぞれ固有で、どの資質がどこでどのように作用しているかも一定の法則性はないらしい。
私の場合、提示されたポジショニングで、各資質が3種類のうちどれに分類されたのだろう?当時と今現在でポジショニング自体に変化はないだろうか?好奇心が湧いた。

ここで目前に押し寄せてきた強い感情。
今回はこの資質「共感性」にフォーカスしてみる。

共感性の凄まじいパワーに振り回されてきた半生

共感性。
私にとってトップの最上志向に次いで2位に君臨する資質だ。
資質のポジショニングを考えたとき、共感性は3種類のうち「アンテナ役」としてはたらいているのは間違いない。

その時々でこれはいい!と感じ取った瞬間をとらえずにはいられない習性がある。絵や文で表現するのは子どもの頃から得意だった。最近3年ほど前よりネットでの情報発信も始めて、文章や写真をブログやSNSに投稿しており、細々とではあるが生活に欠かせない愉しみとなっている。

感受性は物心ついた頃から強く、人間関係や行動面でも喜怒哀楽あらゆる感情の波に翻弄されやすかったように思う。

感受性が強いといっても「複数名集まったその場全体の空気を察知する」のは不得手で、集団の中で空気を読まずマイペースで無防備に振る舞ってしまうこともあった(と自覚している)。
共感性とは似て非なる「調和性」(=その場の個々人間の’相対的な温度差’を敏感に感じ取る資質)がほぼ最下位の32位というのもうなずける。

共感性とは、あくまでその時その場の自分や相手の気持ちの’絶対的な温度’にフォーカスする資質なのだ。

例えば、これまで特定の状況を目の前に、理由もなく無性に強い悲しみに襲われ、所かまわず号泣することがあった(恥ずかしながらかつてインドネシアに住んでいた頃、路地裏の道端にへたり込んで大泣きしたこともあった)。 後になって驚愕の事実を知らされ、なるほどそういうことだったのか、それなら悲しい気持ちになるのも無理はないと納得した。事実は知らなくても、理屈抜きに何かを強く感じとっていたのだろう。

学生時代に、ある講師が授業中に自身の深刻なエピソードを語ってくれた。その時、講師の気持ちが私の脳内にダイレクトに流れ込み、(おそらく)教室の中で私一人が感情に呑まれて涙と鼻水が溢れて止まらず、周囲に気づかれないよう顔を隠すので精一杯だった。

このように、特定の相手の気持ちに敏感過ぎる分、その時の感情の内容や程度によっては思考や行動のパフォーマンスが上下し、波に翻弄されてぐったり疲れることがあるのだ。

その場その場で相手の心情を敏感に感じ取り、相手に同意する時は深く共感し相手を元気づけることもできるが、逆に相容れない気持ちになると共感できず、相手に悟られまいと自分の素直な感情を抑え込み、悶々とすることもある。

共感性が訴えたかったことは?内向きにはたらく共感性の意外な役割

しかし、このたび共感性が発動したのは、他人の気持ちを感じ取ったからではなく、自分自身の心が悲鳴をあげたことを感じ取ったからだ。

私自身のコアとなる資質’信念’を掘り起こし、表に出したが、周囲の理解と承認を得られず、深く傷ついた信念に共感性が寄り添い、暴れ出したのだ。
号泣した後もしばらく不穏な感情が収まらず、不機嫌で無気力な状態が続いた。

今回のエピソードを通じて、深く腑に落ちたことが2つある。

一つめは、私にとって生きる原動力=コアの資質はまぎれもなく「信念」でありこれがないがしろにされると、途端に生きる気力を失ってしまうということだ。

そして二つめが、信念を発揮するうえで共感性が深く関わっているということ。
私にとって共感性とは、他者の感情を読み取るアンテナ役のほか、コア資質の信念を脇でがっちりサポートしている。信念がスムーズに発揮されると共感性が大喜びし、それをうけた信念がよりパワーアップする。一方で信念が危機に晒されると共感性が暴れ出し悲しみと怒りが増幅する。

さらに、この共感性のエネルギーは、信念だけでなく他の上位資質(最上志向、未来志向、適応性、学習欲)のパフォーマンスをも左右するのだ。

まとめ 

今まで私にとって共感性とは、気まぐれでエモーショナルで、調子の良い時は問題ないけど、一旦機嫌を損ねると手がつけられなくなり、周りを感情の渦に巻き込む「厄介なクセ者」だとばかり思っていた。

しかし、そうではなかった。共感性のポジショニングに注意を払い、共感性が発するサインに耳を傾け、資質にあったマネジメントさえすれば、むしろ底知れぬ情緒パワーを持つ助っ人になるとわかったのだ。

私にとって共感性の役割3つ

① アンテナの役割
美しいもの、面白いものを感じ取る。
周囲の状況や他人の心情のみならず、自分自身の気持ちや、自分の資質の状態を察知する。

② モチベーション役である信念の強力な相棒
信念が、外部の他者や自分自身からどう扱われるかで共感性が感情豊かに反応する。もともと信念も共感性も、私にとっては「個人の主観を重要視する」共通した要素があるので、両者はタッグを組む絶好の相性なのかもしれない。
私の場合、信念は上位資質のうち唯一の実行力資質であるが、上位5位に入りきらず、6位だ。そこを2位の共感性ががっちりサポートすることで信念の実行力パワーが補完、増幅される。

③ ムードメーカーとしての役割
共感性のご機嫌次第で資質間の雰囲気が左右される。
共感性がご機嫌だと他の資質も伸び伸びと力を発揮するが、ご機嫌ななめだと他の資質も萎縮して力が十分発揮できなくなったり、あるいはマイナス方面に作用する。

共感性の取り扱い対策

共感性が安心して力を発揮できる環境づくり

●できるだけ五感が心地よいと感じる環境に身をおく(匂い、味、音、感触、色彩)。
●不快感やネガティブな強い感情がこみ上げてきたら否定せずに受け止め、ヒアリングをして「何を訴えようとしているのか」を探る。
●自分の意見や考えがたとえ相手や周囲と異なっていても、自分の感覚、感じとったものは尊重する。 
●共感性の想いやエネルギーを言語化して形にする。

私の資質ポジショニング・黄金パターン

ここで、私の資質のポジショニング・黄金パターンを作ってみた。

「信念がすべての原動力で、 信念に敏感に反応しサポートするのが共感性。
共感性は全体のムードメーカーでもある。
信念が発揮できる環境を、たとえ僅かながらでもいいから作っていく。
それに呼応して共感性が喜ぶ。
共感性の喜びムードに満たされて、他の上位資質(未来志向、学習欲、最上志向、適応性)も存分に力を発揮できるようになる」


しかし、共感性があんなふうに発動していたとは。我ながら驚きだった。
厄介で扱いにくい資質だと思っていたが、私の心を守ろうとして、ああやって喜んだり悲しんだり怒ったりしながら健気に頑張ってくれてたんだなあ…そりゃそうだよな、唯一感情で主張するのが共感性なんだものな…と、共感性が無性に愛おしくなった。

一見厄介に見える感情や思考、行動はすべて自分が自分であろうとするために出てきた反応なんだ。

これからは、共感性をもっといつくしんで、他人のためだけでなく自分自身のためにもしっかり使っていこう。

一昨年のセッション直後に描いたイラスト。上位資質のポジショニングを表している。
よく見ると、共感性が信念に共鳴して涙を流しているではないか。
当時からすでに両者の関係性はこうだったと知っていたのか (!)。

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