さる5月13日、東京・秋葉原にて『デジ絵ワークショップ』を受講した。
これをきっかけに、「絵を描くことを仕事にする」という長年の夢が叶い始めている。
参加までの道のり
幼い頃から絵やイラストを描くのが好きで、絵描きになるのが将来の夢だった。
だが、なぜか敢えて美術方面の進路は選ばず、絵を描くことは趣味の範囲にとどまった。
年賀状の挿し絵や人に頼まれた似顔絵など、もっぱら手描き。
自己流に編み出したプロセスは、
① 鉛筆で下絵デッサン
↓
② ペンで線画を描き、乾いてから鉛筆の線を消しゴムで消す
↓
③ コンビニに出向き、線画の絵をコピーする(倍率を変えて複数作っておく)
↓
④ コピーした線画絵にパステルで色付けして完成
というものすごくアナログなものだった。
20数年前頃よりインターネットが普及し、IllustratorやPhotoshopなど「イラスト・デザインをデジタルで表現するツール」があると知った。
この技術が使えたら、得意な絵を仕事にできるのかなぁ…。
と思ったものの、IT関連の知識に疎く、習得する手間やコストを考えるとためらい、けっきょく何も行動にうつさないまま時が過ぎた。
こうして、絵を上記のアナログな方法で細々と描き続けて早20年以上になる。
しかし近年にわかに、
何とかして、この「自分の得意な絵」をこの世にもっと広く知らしめたい!
という野心が強くなってきた。
去年からオンラインサロンに入ったりこのブログを開設したりと、ネットでの情報発信に着手。
そんなとき出会ったのがこのワークショップの主催者、ハシケンさんこと橋本賢介さんのサイト「コンテアニメ工房」だった。
ハシケンさんはこれまで漫画、キャラクターデザイン、アニメーション制作といったクリエイティブ業界で10年以上経験されたのち、現在は独立して活躍しておられる絵のプロフェッショナルだ。
「デジ絵ワークショップ」
とは、ひと言でいうと
「デザイン初心者が、絵の力を使ってネットで情報発信するスキルを身につける」
ものだという。
今の私にすごくピッタリじゃないか!
しかもこのワークショップは、たったの1日、4時間のみで完結する。
会場が東京で自分の住む岡山からはるか遠いが、開始時間が昼過ぎ(午後1時〜)。
新幹線で日帰りで往復するに十分いけると判断し、思い切って受講を決めた。
受講するためには、デジ絵作成ツールを事前に準備しておくことが必須だ。
それは、
ペンタブレット(ペンタブ)、描画ソフト(Clip Studio)、ノートパソコンの3点
または、
液晶タブレット(液タブ)、描画ソフトの2点
これが揃って初めてデジ絵作成が可能となる。
事前準備についても、ハシケンさんのブログ記事に詳しく分かりやすい情報が網羅されている。
申し込みをした後、即ペンタブとClip Studioを購入。
あとは、当日まで操作に慣れるよう少しずつ触ってみた。
ちなみに、ペンタブや描画ソフトはここ最近ずっと欲しいと思っていながら、なかなか購入に踏み切れなかった。
だがこのワークショップに参加するためには、何としてでもこれらを手に入れざるを得なくなる。
自分を追い込むことで実現に向けた行動を起こすことができた。
当日の様子
会場は、秋葉原駅から徒歩10分弱のこぢんまりとしたビルの会議室。
BGMにジャズ音楽が流れているのが印象的だった。
受講者は5名と少人数。
わからないことはその場で質問しやすい雰囲気だ。
メインの内容は、デジ絵の基本手法といわれる「アニメ塗り」のプロセスを習得すること。
実際に私が作った「アニメ塗り」の作品がこちら。
自分の似顔絵を図案にした。
アニメ塗りのプロセス
①ラフ画(=下絵)を描く。
下描きデッサンの要領で。後の線画の線を見えやすくするため、ブルー系の色を使う。
先生の指示のもと、サイズを縦600×横800に設定。
すると、デフォルトに比べて白いキャンバスが一気に中央に寄って小さくなる。
(なんか小さ過ぎて、描きにくいんだけど・・・まあ、こんなものか?)
と思いながら、画面をにらみペンタブ上でちまちまとペンを走らせていた。
すると、ハシケン先生が近寄ってきて、
「これは小さすぎますね、ズームで大きくして描きましょう」とアドバイス。
ズーム機能で100%→200%に変更。
↓
…(°▽°)!! ナント !!
フツーに大きいよ??
めっちゃ描きやすいじゃないですか!!!
なあんだ、単純にズームアップすればいい話なのね。
これぞガチの初心者レベル (^◇^;)
②線画を描く
↑
新しいレイヤーを上に重ねる。
ここに黒色の線で、1本の線を決めてなぞり描きをしていく。
ペン先が固くペンタブの上でツルツル滑って、思うように描けず苦戦。
描き始め地点が微妙にずれたり、描いていると線がそれたりするため、
線があっちこっちにフラフラ揺れ動く。
長年、手描きに慣れている身にはもどかしい。
ハシケン先生いわく「設定の調節をしたり描き慣れるうちに必ず上手になる」とのことだ。
確かにペンタブの扱いに慣れるまで大変そうだ。
だが、線を間違えたと思ったらすぐに「戻る」コマンドを押すと直前の状態にリセットされる。この機能は使い始めてすぐに重宝した。
手描きとは大きな違いだ。
手描きだと、一発勝負。
一度ペン入れしたら修正液や修正テープでしか直せない。
デジ絵って、めっちゃ便利!
↑
黒目の部分と音符も黒で塗りつぶす。
↑
青い線の下絵デッサンのレイヤーを見えなくして、線画のみにする。
その下に黄緑色のレイヤーを入れる。
(塗り漏れがないかどうか分かりやすくするためだそう。)
③色を塗る
↑
レイヤー1。
服の部分。
線で囲った部分を選択し、色を選び決定。
↑
レイヤー2。
髪の毛を焦げ茶色に。
↑
レイヤー3。
肌の色を入れて、ほぼ完成 ♪ ♫
途中起こったハプニング
デジ絵に関して全くの初心者の私は、上記のキャンバスのズーム調整機能すら知らなかった。
それから、珍妙なハプニングにも見舞われた。
いきなり操作ミスか何かで、しばらくの間ずっとペンタブやPC画面上どこをさわっても、手のマーク(=移動)しか出ない。
ペンやカーソルを動かすと、ことごとく手のマークのまま原稿自体が動くばかりするのだ。
(このままだと、今日のワークショップ、手のマークでキャンバスを移動するだけで終わるよ??)
涙目になりそうだった。
しかし、困っているとハシケン先生が駆けつけてくれて、速攻で解決した。
ホッと一安心。
講師のサポートは、実に有難い。
参加してみての感想、気づき
あっという間の4時間だった。
デジタル絵の基本である「アニメ塗り」という手法の大まかな流れをつかめたと思う。
プロに直接教わることの重要さ
強く実感したのが、デジ絵作成という新しい技術をポイントを押さえて短時間でマスターするには、対面でプロの助け舟が必須、ということだ。
確かに、講師のサイトや著書のほかにもネット上の情報を参考にしたり、使用ソフトのマニュアルを見ながら独学でマスターすることも可能だろう。
PCデザインの素養がある程度あればこなせるかも知れない。
しかし全くの初心者がいきなり独学で始めると、
●つまづいた時に指摘・修正してくれる人がいない。
●判断力がまだ未熟なので、多すぎる情報に翻弄されてしまう。
その結果、途中でくじけてしまったり、マスターするまでに膨大な時間とエネルギーを消耗する可能性がある。
実際のところ、私自身が初めてアニメ塗りを完成させるまでには、思っていた以上に途中のハプニングやエラーが多かったのだ。
解決してしまえばほんの些細な事ばかりなのだが、これを即時に初心者が独りでクリアするには非常にハードルが高いと思う。
でもこのような講師から直接教わるワークショップ形式では、
不慣れゆえに行き詰まった時、講師にすぐ助けてもらえて軌道修正し、速やかに次のステップに進める。
これは相当大きなメリットだ。
なお、参加者特典として講義後に当日のスライドデータと特典資料が復習用として送られてきた。
しかも、講義後もハシケン先生にメールでいつでも質問してOKとのこと。
これは、すごくありがたいサービスだ。
受講費と岡山⇆東京の交通費合わせて、今回の出費はそれなりの額になった。
しかし、この額を差し引いても、『デジ絵ワークショップ』は受けて大正解だった。
このワークショップを受けてみたい人へ。
実際受けてみて気づいたことをいくつか挙げておく。
その①「ワークショップで実際に自分が描く作品は、前もって図案を決めておく」
初めてのデジ絵なので、キャラクターっぽい人物の顔など線の単純なものがいい。
事前準備することで、当日いざアニメ塗りの実習を始めるときに焦らないで済むし、限られた時間の中でデジタル描画のやり方そのものに集中できる。
その②「PCの種類について」
持参するノートPCは、できれば講師のものと同じWindowsの方が、操作手順が同じなので分かり易い。
もし自分のPCがMacの場合(私がそうだった)、コマンドや基本操作方法など自分自身でMac独自のやり方を熟知しておいたほうが、よりスムーズについていけると思う。
その③「自分専用の電源コードを持参」(プラグ差し込みが3つ程度あるもの、2m程度)
会場ではすでにテーブルの下に電源差し込み口を準備してくれているが、これがあると自分のノートPCとスマホの2つの電源が同時に確保できるので安心だ。
次回の『デジ絵ワークショップ』は、6/24(日)開催予定です。
詳細については、こちらをご参照ください。
まとめ:
このワークショップを受けて良かったことは、
「たったの4時間のレクチャーで、デジ絵というスキル獲得の足がかりができた」ことと、
「夢の実現に向かっていく環境に、自分自身を置くことができた」こと。
すごく嬉しい。
いずれは、ペンタブをツールにして絵を仕事にすることを長期的な目標にしている。
だがまずは差し当たっての目標としては、
「ペンタブ操作に慣れること」と、
「自分のデジ絵を描きためること」。
そしてこのブログにもデジ絵作品を少しずつアップしていく予定だ。
ハシケン先生、素晴らしいワークショップでした。
本当にありがとうございました!!
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